この記事を読めば世界と日本のコウモリの種類や特徴が丸ごとわかります。
「夕方に飛んでるあのコウモリ、何なんだろう?」
と気になったことはありませんか?
意外と身近な動物なのに種類について詳しく知る機会ってあまりないですよね。
生態から見た目の特徴までできるだけ丁寧に解説していきます。
コウモリは大きく2種類に分けられる
コウモリの話をするならまず「オオコウモリ」と「ココウモリ」という2つの大きなグループを押さえておくと、あとの理解がぐっとラクになります。
このあたりから整理していきましょう。
世界には約980種類ものコウモリが存在していますが全体のおよそ8割がココウモリ、残り2割がオオコウモリという割合に分かれています。
見た目も生態もずいぶん違っていて同じ「コウモリ」という名前なのに別物みたいな感じがするくらいです。
オオコウモリの特徴
オオコウモリは「フルーツコウモリ」とも呼ばれていて果実や花の蜜を主食とする草食寄りなコウモリです。
翼を広げると最大2メートルに達する大型の種もいて、体長は20〜30センチほどのものが多いです。
目が大きくて視覚が発達していてエコーロケーション(超音波で周囲を把握する能力)をほとんど使わずに視力だけで飛行できる点がココウモリとの大きな違いです。
キツネっぽい顔立ちをしている種が多く、実物を見ると「本当にコウモリ?」と思うほどの存在感があります。
主に熱帯や亜熱帯の島々に生息しており、日本ではオガサワラオオコウモリとクビワオオコウモリの2種だけが確認されています。
ココウモリの特徴
ココウモリは体長5〜10センチほどの小型のコウモリで視覚はほとんど機能しないほど弱いのが特徴です。
その代わり、超音波を発して反響から周囲の状況を把握するエコーロケーションという能力が非常に発達していて、真っ暗な空間でも秒速で動く昆虫を正確にとらえることができます。
昆虫を主食とするので農作物を荒らす害虫を大量に食べてくれる益獣として扱われることも多いです。日本に生息する34種のうち、32種がこのココウモリに該当します。
日本に生息するコウモリは何種類いる?
日本にいるコウモリの数、意外と多いんです。
34〜35種類が確認されていて日本に生息する哺乳類(約100種類)のうち、実に3分の1近くをコウモリが占めています。
しかも、野生のネズミ類が約20種類であることを考えると、日本にはネズミより種類の多いコウモリが生息しているという事実には正直ちょっと驚きました。
日本のコウモリは下記のように科ごとに分類できます。
| 科名 | 日本での種数 | 主な種 |
|---|---|---|
| ヒナコウモリ科 | 25種 | アブラコウモリ、ヤマコウモリ、ニホンウサギコウモリなど |
| キクガシラコウモリ科 | 4種 | ニホンキクガシラコウモリ、コキクガシラコウモリなど |
| オオコウモリ科 | 2種 | オガサワラオオコウモリ、クビワオオコウモリ |
| オヒキコウモリ科 | 2種 | オヒキコウモリ、スミイロオヒキコウモリ |
| カグラコウモリ科 | 1種 | カグラコウモリ |
ヒナコウモリ科が圧倒的に多い
日本のコウモリ全34種のうち、ヒナコウモリ科が25種と最大の割合を占めています。
私たちが日常的に見かける「夕暮れの空を飛ぶコウモリ」の大半は、このヒナコウモリ科に属するアブラコウモリです。
アブラコウモリ(イエコウモリ)の特徴
日本で最もよく見られる種。
街中で見かけるコウモリはほぼ100%このアブラコウモリだと思っていいくらいです。
家屋の屋根裏や雨戸の隙間に住み着くことが多いため「イエコウモリ」という別名もあります。
本州から九州・琉球列島まで広く分布しており、都市部でも普通に生息しているのがこの種の特徴でしょう。
アブラコウモリの生態と見た目

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 体長 | 約4〜6センチ |
| 体重 | 約5〜10グラム |
| 翼開長 | 約20〜25センチ |
| 主食 | 蚊、ユスリカ、ヨコバイなどの小型昆虫 |
| 活動時期 | 春〜秋(冬は冬眠) |
| 鳴き声 | キィキィ、チチチチ(威嚇時) |
体色は暗褐色で光が当たると艶やかに輝く毛が「油を塗ったよう」に見えることから、アブラコウモリという名前がついたそうです。
一晩でおよそ500匹もの昆虫を食べるので害虫を抑制する役割も果たしています。
名前の由来がおもしろい
アブラコウモリの「アブラ」は油のことですが、これは艶のある体毛の見た目から来ているのに、なんか意外な気がしますよね。
キラキラした毛皮を持つ小さな生き物が「アブラ」とは…ちょっとユニークな命名だなと思いました。
洞窟に住む代表種はニホンキクガシラコウモリ
アブラコウモリとは対照的に洞窟や廃坑を住処とするのがキクガシラコウモリ科の仲間です。
その中でもニホンキクガシラコウモリは北海道から九州まで広く分布している身近な洞窟性コウモリです。
キクガシラコウモリの特徴的な鼻
名前の由来は鼻葉(びよう)の形状。
菊の花に似た複雑なひだ状の鼻を持ち、ここから超音波を発してエコーロケーションをおこないます。ほかのコウモリと見分けるときは、まずこの独特な鼻の形を確認するのが一番手っ取り早いです。
体長6〜8センチ、体重17〜35グラムとアブラコウモリよりも大きく廃坑やトンネル、防空壕などをねぐらにして暮らしています。
準絶滅危惧種に指定されているので生息場所の保全が重要な種です。
個性的な見た目が特徴的な種たち
コウモリってよく見ると種によって顔つきがまったく違うんです。
その個性がいちばん際立っているのが、次の3種かもしれません。
ニホンウサギコウモリ

体長の半分近くもある大きな耳が最大の特徴でウサギの耳に似ていることからこの名前がつきました。
北海道・本州・四国に生息する日本固有種で絶滅危惧種に指定されています。
飛行中は耳を折りたたみ、休んでいるときは後ろに倒すというちょっと独特な仕草をします。
森林を好み、落葉樹林での観察例が多いです。
テングコウモリ
名前の通り、天狗の鼻のように筒状に突き出した鼻が印象的な種です。
北海道から九州まで広く分布していますが絶滅危惧種・準絶滅危惧種に指定されていて個体数は多くありません。
オヒキコウモリ
日本最大級のココウモリで体長8〜9センチ、体重は最大45グラムにもなります。
尾が尾膜から大きく突き出していて、頭の上に大きな耳がある独特のシルエットが目印です。
断崖の岩の割れ目や鉄筋コンクリートの継ぎ目をねぐらとするなど、けっこうマニアックな生活をしています。準絶滅危惧種に指定されています。
日本のオオコウモリ2種を紹介
日本に生息するオオコウモリはどちらも温暖な地域の固有種で、絶滅危惧種に指定されています。
生息地が限られているので実物を見られる機会はなかなかないんですが、その存在感は格別です。
オガサワラオオコウモリ
小笠原諸島にのみ生息する日本固有のオオコウモリで体長約20〜25センチ、翼を広げると最大80センチにも達します。
果実や花の蜜を主食とし、夜行性ではあるものの冬眠はしません。
大きな目と短い鼻を持つキツネのような顔立ちは、ココウモリとはまったく異なる印象を受けます。オオコウモリの仲間らしく視覚を頼りに飛行します。
クビワオオコウモリ
九州南部から奄美・沖縄諸島にかけて生息する種で首の部分に首輪状の模様があるのが名前の由来です。
オスは黄〜橙色、メスは白色の首輪模様と個体によって色が異なるのも興味深い点です。
熱帯系の希少種 カグラコウモリ
日本に生息するコウモリの中で唯一の熱帯系コウモリがカグラコウモリです。
分布は石垣島、西表島、波照間島、与那国島といった八重山諸島に限られていて洞窟を住処とします。
鼻の部分が神楽の面のようにひだ状に広がっているのが見た目の特徴で体毛は黄褐色、大きな耳は先が尖っています。
1,000頭を超える大集団をつくることもあるとのことで絶滅危惧種に指定されているのに集団で暮らすというギャップがおもしろいです。
絶滅危惧種が多い理由
日本に生息する34〜35種のコウモリのうち、相当数が絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されています。
ヒナコウモリ科だけでもヤマコウモリ、クビワコウモリ、チチブコウモリ、ニホンウサギコウモリなど多くの種が該当します。
主な原因は森林伐採や雑木林の減少による生息地の喪失でそれに加えて洞窟の減少や開発による環境悪化が追い打ちをかけています。
本来は木の洞(うろ)や洞窟を住処とするコウモリが生息地を失って人間の建物に住み着くようになったという経緯もあります。
まとめ コウモリの種類を知るとこんなことがわかる
- 世界に約980種類、日本に34〜35種類のコウモリが生息している
- 大きく「オオコウモリ(果実食・視覚頼り)」と「ココウモリ(昆虫食・エコーロケーション使用)」の2グループに分けられる
- 日本のコウモリは32種がココウモリ、2種がオオコウモリで、最大のグループはヒナコウモリ科(25種)
- 街中で見かけるコウモリはほぼアブラコウモリ(イエコウモリ)の1種類のみ
- 日本の多くの種が絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されており、保全が急務の状況
- コウモリは鳥獣保護法で保護された動物であり、無許可での捕獲や飼育は禁止されている
コウモリは「怖い」「不気味」といったイメージを持たれがちですが害虫を大量に食べてくれる益獣でもあります。
種類を知ることでコウモリという動物への見方がちょっと変わるかもしれません😊





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