この記事を読めば日本に生息する害獣の種類と生態、それぞれが引き起こす被害の特徴がひとまとめでわかります。
「どんな動物が害獣なの?」
「見た動物が何者か知りたい」
そんな疑問を持つ方に向けて在来種・外来種に分けて整理しました。
種類を正確に把握することが対策の第一歩になります。
害獣は大きく2種類に分かれる
日本の害獣を理解するうえで、まず押さえたいのが「在来種」と「外来種」という分け方です。
在来種はもともと日本に生息していた動物で、外来種は海外からペットや毛皮獣として持ち込まれ野生化したもの。対策の方向性が全然違うのでこの区別はけっこう重要なんです。
在来種の害獣一覧
日本にもともと棲んでいた動物の中で人間の生活や農業に被害を与えるものを紹介します。
シカ(ニホンジカ・エゾシカ)
農作物被害額で日本最大の害獣。
令和6年度のシカによる農作物被害は約78億円で全体の41%を占めます。本州・四国・九州・北海道に広く分布。農地の農作物を食べるだけでなく、樹皮をはいで林業にも深刻なダメージを与えます。
体長は1〜2メートルで体重は最大100kg近くになる個体も。繁殖力が高く、個体数の管理が追いつかないのが現状です。
イノシシ
山間部から都市近郊まで生息域が年々広がっている害獣。
令和5年度の農作物被害額は約36億円。農地を「ほじくり返す」独特の採餌行動で田んぼや畑を根こそぎ荒らすことも。被害の大きさが他の害獣と一線を画しています。
成体のオスは牙を持ち突進力も強い。
農地への被害に留まらず、人への攻撃事例も全国で報告されていて意外と恐ろしい動物です。
クマ(ツキノワグマ・ヒグマ)
ここ数年、被害が急増している。2025年4〜9月のクマ出没件数は全国2万792件と、統計開始以来最悪のペースを記録しました。
ヒグマは北海道のみ、ツキノワグマは本州・四国に生息。農作物(蜂蜜・とうもろこし・果物など)への食害のほか、人への直接攻撃も深刻で2025年の人身被害者数は239人・死亡者14人超(速報値)。
もはや他人事ではないレベルの問題です。
ニホンザル
群れで農地に侵入して果物・野菜・穀物を食べながら踏み荒らす。
シカ・イノシシ・サルの3種だけで農作物被害全体の約70%を占めると言われています。
知能が高いのが厄介で電気柵などの防護対策を「学習してかいくぐる」事例が現場では頻繁に報告されています。
正直、対策の難易度が高い動物だと思います。
タヌキ
日本全国に生息する在来種。
単独行動が多く、農作物への食害は軽度なことが多いです。
アライグマと混同されやすいですがタヌキは家屋に侵入することはほぼなく、人を攻撃することもほとんどありません。
被害レベルで言えばアライグマよりずっと低い。
ただ、農地周辺への出没や果実の食害は普通に起きるので油断は禁物です。
イタチ(ニホンイタチ)
体は小さいけれどすき間から家屋に侵入して鶏を襲ったり、卵を盗んだりする被害で知られています。
養鶏場での被害が特に多い。夜行性で動きが素早く発見が難しい
コウモリ
意外と見過ごされがちです、屋根裏や軒下に大量に住みつく害獣のひとつです。
糞尿による悪臭・建物汚染が主な被害で一度住みつかれると痕跡の量に驚くほど。なかなかやっかいな存在です。
外来種の害獣一覧
海外から持ち込まれ、日本各地で野生化した動物たち。
天敵がいないケースが多く繁殖スピードが速い傾向があります。
アライグマ
北米原産でペットとして輸入された個体が野生化したもの。
外来種の害獣の中でも特に被害が深刻で屋根裏への侵入・農作物の食害・人への噛みつきと被害の種類が幅広い。アライグマ回虫という寄生虫を持っており、公衆衛生上のリスクも高い。
| 比較 | タヌキ | アライグマ |
|---|---|---|
| 家屋侵入 | ほぼなし | あり(屋根裏に住みつく) |
| 人への攻撃 | ほぼない | 威嚇・噛みつきあり |
| 農作物被害 | 軽度 | 深刻 |
| 感染症リスク | 疥癬など | アライグマ回虫など |
| 生態上の立場 | 在来種 | 外来種(特定外来生物) |
ハクビシン
ジャコウネコ科の動物で在来種か外来種かがじつは専門家の間でも議論されていたりします。
実態としては東日本を中心に都市部・郊外問わず広がっており、屋根裏に侵入して糞尿を垂れ流す行動が建物の腐食・断熱材の破壊・悪臭につながります。
果物が大好きでぶどう・もも・柿など果樹農家への食害が目立ちます。
見た目は愛嬌があるんですけど被害は案外深刻。
ヌートリア
南米原産で戦時中に毛皮獣として飼育されていた個体が野生化したもの。
西日本を中心に河川周辺で繁殖していて稲や葉野菜への食害・水田の畦を掘り崩す被害が問題になっています。
電源ケーブルをかじって断線させた事例も報告されていて、農業以外の被害も出ています。
体長は50〜65cm、体重は最大10kgを超えることもある大型げっ歯類。
水辺の環境では意外と素早く、見た目の印象よりずっとアクティブです。
ネズミ(クマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミ)
家屋に侵入する三大ネズミ。
繁殖力が非常に高く、一度住み着くと駆除が困難です。
食品への汚染・電気配線のかじり(火災リスク)・天井裏の糞害など都市部でも被害が絶えません。
クマネズミは特に都市型で高層ビルでも目撃されることがあります。
被害タイプ別で見る害獣まとめ
害獣を「どんな被害を引き起こすか」で整理すると、より実用的に把握できます。
農作物を荒らす害獣
- シカ
農作物全般・樹皮はぎ - イノシシ
田んぼ・畑のほじくり返し - ニホンザル
果物・野菜・穀物 - ハクビシン
果実(ぶどう・もも・柿など) - アライグマ
果物・野菜・稲 - ヌートリア
稲・葉野菜
家屋・建物に被害を与える害獣
- アライグマ
屋根裏への侵入・断熱材の破壊 - ハクビシン
屋根裏への侵入・糞尿汚染 - コウモリ
軒下・屋根裏への住みつき・糞尿汚染 - ネズミ
電気配線のかじり・食品汚染 - ヌートリア
電源ケーブルの切断
人に危害を加えうる害獣
- クマ(ヒグマ・ツキノワグマ)
突進・爪・噛みつき - イノシシ
牙・突進 - ニホンザル
噛みつき・引っかき
まとめ
- 日本の害獣は在来種(シカ・イノシシ・クマ・ニホンザル・タヌキ・イタチ・コウモリなど)と外来種(アライグマ・ハクビシン・ヌートリア・ネズミなど)に大別できる
- 農作物被害で最大の害獣はシカ(令和6年度:約78億円)、次いでイノシシ(約36億円)
- クマの出没件数は2025年に過去最悪を更新しもはや山間部だけの話ではなくなっている
- アライグマは外来種の中でも特に被害が広範囲で、家屋・農地・健康と三方面にリスクが及ぶ
- 被害のタイプによって「農作物系」「家屋系」「人身系」と特徴が異なるため、種類の特定が対策の起点になる
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