「最近、白っぽいイタチみたいな動物を見かけたんだけど、あれって何だろう?」
と思ったことはありませんか?
この記事を読めばイタチの体色がなぜ白、黒、茶色に見えるのかそしてその色から何の動物なのかを判断できるようになります。
実は色の違いには種類の差や季節の変化、さらにはペットの逃げ出しという意外なケースまで、いくつかのパターンが絡んでいるんです。
「ただのイタチでしょ」
とスルーしてしまうにはもったいない情報がけっこう詰まっています。
イタチの基本的な体の色
イタチの色を理解する上でまず押さえておきたいのは日本に生息するイタチには主に2種類いるという事実です。
ニホンイタチとシベリアイタチの色の違い
日本で見かけるイタチの大半はニホンイタチ(学名:Mustela itatsi)とシベリアイタチ(チョウセンイタチ、学名:Mustela sibirica)のどちらかです。
ニホンイタチは全身が茶色からこげ茶色で額から鼻の付け根にかけて濃褐色の模様があり、口のまわりから胸にかけてが白っぽくなっています。
一方でシベリアイタチは褐色がかった山吹色というか、やや黄色みが強い印象。光の当たり具合や個体によっても結構変わるので、色だけで見分けるのは正直難しいですよね。
夏と冬でも色味が変わります。
シベリアイタチは夏は暗めの褐色、冬は黄色が強い明るい褐色へと変化します。
ニホンイタチも夏のほうが濃く見え、冬はやや明るめに見えることがあります。
夜に見ると「黒っぽい」と感じる理由
「夜に黒いイタチを見た!」という声はよく聞くんですがこれはイタチが本当に黒いわけではなく、体色が暗めのために夜間に黒っぽく見えるだけであることがほとんどです。
ニホンイタチのオスは頭胴長が27〜37cm、体重は300〜700gほどで夏の濃い褐色の毛は確かに光量が少ない環境では黒く映ります。
「黒いイタチ」と調べている方の多くは、夜間や薄暗い場所でニホンイタチまたはシベリアイタチを目撃したケースではないかなと個人的には思っています。
白いイタチっぽい動物の正体
日本で「白いイタチ」を目撃したという報告はゼロではないんです
ただ、真っ白な野生のイタチが普通に歩いているかというとそれはかなり別の話になってきます。
オコジョ 冬になると白くなるイタチの仲間
オコジョ(学名:Mustela erminea)は、日本のイタチ科の中で最も「白い」イメージを持つ存在です。
北海道や本州中部以北の高山帯に生息していて、夏は背中が茶色でお腹が白、冬になると全身がほぼ純白に変わります。
尻尾の先だけは一年中黒いままという特徴があり、これが見分けるときの重要なポイントになります。
冬毛が白くなる理由は雪景色に溶け込んで外敵や獲物に気づかれにくくする保護色の働きがあると考えられていますが、実際にはすべての状況で当てはまるわけでもないという指摘もあります。
この点は研究者の間でも完全には結論が出ていないみたいです。
イイズナという小型のイタチ科動物も白くなる
オコジョと同じくイイズナ(学名:Mustela nivalis)も冬に全身が白くなる種です。
オコジョと異なり尻尾の先に黒い部分がないので冬に見かけると全身真っ白、というかなりインパクトのある見た目になります。
ただし生息地が限られる上に個体数も少な、一般の住宅地で見かけることはまずないでしょう。
アルビノや白変種のイタチもごくまれに存在する
確率はきわめて低いですがニホンイタチやシベリアイタチでもアルビノ(先天性色素欠乏症)の個体が生まれることがあります。
アルビノは生まれつきメラニン色素が欠乏していて体毛が白く、目が赤くなります。自然界では目立つため捕食されやすく、生存率はかなり低いのが現実です。
白変種(リューシスティック)というパターンも一応あります。
こちらはメラニンを全く作れないわけではなく部分的に色素が減少しているので、目は黒く、体の一部だけ白っぽかったりします。
見た目が似ているようでアルビノとは本質的に違うんです。
黒いイタチっぽい動物を見たときは?
「黒いイタチっぽいもの」の正体は大きく分けて三つ考えられます。
夜間・薄暗い場所でのニホンイタチ・シベリアイタチ
先にも書いたとおり、濃い茶褐色の毛は暗所でほぼ黒に見えます。
昼間でも陰になっている場所や夕暮れ時に目撃するケースがこれに当たります。
テンの可能性
テン(学名:Martes melampus)もイタチ科で、体のサイズはイタチよりひと回り大きく体長45〜55cmほどあります。
夏毛のときは顔が黒っぽくなり、体も暗めの色合いになるので「黒っぽいイタチ」に見えることがあります。
冬毛になると白や黄褐色のパターンが出てきます。テンとイタチを区別するには体のサイズ感と顔の色を確認するのがポイントです。
ペットのフェレットが逃げ出したケース
これは意外と盲点なんですが毛が長くて白や黒の体色をした動物を住宅地で見かけたとすれば、フェレットの脱走という可能性があります。
フェレットはイタチの仲間ですが、ペット個体は野生のイタチとは毛色が大きく異なり、白、黒、まだら模様など豊富なカラーが存在します。
フェレットは野生では生きられないので見つけた場合は自治体や動物病院に連絡するのが適切な対応です。
体色だけで見分けるのが難しい理由
一見シンプルなようでイタチの体色による識別は思いのほか難しかったりします。
個体差と光の影響
同じニホンイタチでも個体によって色の濃さが違います。
また季節の換毛期には白と元の色が混在したような見た目になることもあって、「あれは何の動物だったんだろう」と後から混乱するケースも少なくないと思います。
オスとメスで大きさが全然違う
ニホンイタチはオスとメスで体格差が国内の哺乳類の中でも最大レベルとされていて、オスは頭胴長27〜37cm、メスは16〜25cmと別動物みたいな差があります。
同じ色のイタチでもサイズが全然違うので、「小さい茶色いイタチ」はほぼメスのニホンイタチ、「大きめの茶色いイタチ」はオスかシベリアイタチという切り分けが実際の現場では使える目安です。
尻尾の長さが最も信頼できる判断軸
色だけに頼るより尻尾の長さが頭胴長の半分より長いか短いかで見ると判断がぐっと楽になります。
尻尾が胴体の半分より長ければシベリアイタチ(チョウセンイタチ)、短ければニホンイタチという判別法は環境省も紹介しているポイントで比較的信頼度が高いです。
イタチの色に関する見分け方まとめ
記事の要点を整理します。
- 茶色〜こげ茶色で小さい→ニホンイタチのメスが最も可能性が高い
- 茶色〜山吹色で体がやや大きい→シベリアイタチ(チョウセンイタチ)かニホンイタチのオス
- 夜に黒っぽく見えた→日本に生息するイタチは昼は褐色だが暗所では黒く見える
- 冬に白くて尻尾の先が黒い→高山帯に生息するオコジョの可能性が高い
- 全身真っ白で尻尾も白い→イイズナ(生息地は限定的)またはアルビノ個体(極めてまれ)
- 毛が長く白・黒・まだら模様→フェレットの脱走個体を疑う必要がある
体色に加えて尻尾の長さと目撃場所・季節を組み合わせて考えるとかなり精度よく種類を特定できます。
庭先や住宅地で見かけた場合と登山中に高山帯で見かけた場合では答えが全く変わってくるので、目撃状況をセットで覚えておくと見分けがぐっと楽になるはずです。
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