この記事を読めばコウモリが普段どんなものを食べているか、そして種類によってどれだけ食性が違うかが丸ごとわかります。
「コウモリって血を吸うんでしょ?」
と思っていた方、実はそれ、かなりの誤解なんですよね。
日本にいるコウモリは昆虫しか食べませんし、世界中に1,400種以上いるコウモリのうち、血液を主食にしているのはたった3種だけ。
私もこれを知ったとき、けっこう驚きました。
コウモリの基本的な食性
コウモリの食べ物は種類によって大きく違います。
ただ、日本に住む私たちが知っておきたいのは国内でよく見かけるコウモリはほぼ全て「昆虫食」だということ。
日本でよく見るコウモリは昆虫しか食べない
日本で最もよく見かけるコウモリはアブラコウモリという種類です。
このコウモリは完全な食虫性で蚊やユスリカ、ガ、ハエ、ヨコバイ、小型甲虫といった小さな昆虫だけを食べています。
果物も血液も食べません。あくまでも虫だけ。
なのでコウモリが庭や軒下に来るのは、そこに昆虫が豊富にいるから、ということになります。
コウモリ対策を考えるときはこのポイントを押さえておくと話が早いと思います。
一晩で何匹食べる?驚きの捕食量
これがまあ、けっこう驚きなんですが…コウモリ1匹が一晩で最大500匹もの虫を食べることがあるとされています。
人間にとっては厄介な蚊やユスリカをそれだけ食べてくれるので、生態系の観点からは「益獣」として評価されることもあります。
なんか、嫌われ者のイメージが強いわりに実はすごく働いてるんですよね。😌
コウモリが食べる昆虫の種類
コウモリが食べる昆虫にはどんなものがあるのかもう少し詳しく見てみましょう。
アブラコウモリが好む昆虫
アブラコウモリが主に食べる昆虫は以下のようなものです。
- 蚊(カ)
- ユスリカ
- ガ(蛾)
- ヨコバイ
- ハエ
- ウンカ(稲の害虫)
- 甲虫の仲間(小型のもの)
基本的に夜行性の小さな飛翔昆虫を狙っていて特に空中を飛んでいる虫を得意とします。
都市部では特にユスリカが重要な食糧源
東京などの都市部では汚れた河川や水路に大量発生するユスリカがコウモリにとって重要な食糧になっています。水場のそばに多くのコウモリが集まる理由のひとつがこれです。
ちなみに、季節や環境によって食べる虫の種類も変わる可能性があります。
これは私の見立てですが、冬眠前に体力をつけるために大型の昆虫も積極的に食べるんじゃないかなという気もしますね。
エコーロケーションで獲物を捕まえる仕組み
コウモリが暗い夜でも虫を正確に捕まえられるのは超音波を使った特殊な能力を持っているから。
超音波で虫を「見る」コウモリ
コウモリはエコーロケーション(反響定位)という仕組みを使います。
簡単に言うと自分の喉から超音波を発して、その音が虫に当たって跳ね返ってきたエコーを聞くことで、虫の位置や形、距離までわかるというすごい能力なんです。
東京大学の研究によると光のない闇夜でも虫までの距離や形状を正確に把握できるとされています。
戦闘機のレーダーみたいなことを体ひとつでやってしまうわけで、思った以上に高度な生き物だなと感じています。
視覚と嗅覚で果実を探すオオコウモリ
一方、昼行性のオオコウモリ類は超音波を出さず、視覚や嗅覚を使って果実を探します。
食べ物が違えば捕食の手段も変わるというのがコウモリの生態の面白いところです。
世界のコウモリが食べるもの(種類別)
世界には1,400種以上のコウモリがいてその食性は思いのほかバラエティに富んでいます。
ここからが「コウモリ観が変わる」ポイントかもしれません。
果物や花蜜、花粉を食べるコウモリ
熱帯地域に多い大型のコウモリは果物や花の蜜、花粉を主食にするものもいます。
口永良部島に生息するエラブオオコウモリは、リュウキュウの果実などを食べながら葉や花蜜、昆虫も食べる雑食傾向があります。
果実を食べるコウモリは植物の種を運ぶ「種子散布者」としての役割も担っています。生態系への貢献という意味では、地味に重要な存在。
カエルや魚、小動物を食べる肉食コウモリ
世界にはカエル、魚、小型の鳥、トカゲ、さらには他のコウモリまで食べる肉食性のコウモリも存在します。
ただ、そういった肉食性のコウモリは世界でたった約10種ほどしかいないとされています。
虫を食べることがベースにあってそこから進化的に肉食へとシフトしていったものと考えられています。
血液を飲む「吸血コウモリ」は3種だけ
ここが最大の誤解ポイントです。
血液を主食にするコウモリは、現存する1,400種以上の中でわずか3種しかいません。
その3種は
- ナミチスイコウモリ(Desmodus rotundus)
- ケアシコウモリ(Diphylla ecaudata)
- シロハネ吸血コウモリ(Diaemus youngi)
これらはすべて中南米にのみ生息しており、日本には存在しません。
しかも吸血と言っても噛みついて血を大量に吸うわけではなく、カミソリのように鋭い前歯で皮膚に小さな傷をつけて、流れ出た血をなめるようにして飲むというスタイル。
唾液に抗凝固剤が含まれていて血が固まらないようになっているんです。…うん、なかなかすごい仕組み。
コモンバンパイアバットは主に牛やロバ、豚などの家畜の血を吸い、ヒトを直接ターゲットにすることは稀です。
コウモリの餌場になりやすい環境
コウモリが家や庭に来るとしたら、そこが「食事しやすい場所」になっている可能性が高いです。
虫が集まる場所=コウモリの食事処
コウモリが集まりやすい環境として
- 街灯や蛍光灯の周辺(光に虫が集まるので、コウモリにとっては天然のバイキング状態)
- 池や川などの水場の近く(ユスリカや蚊が大量発生しやすい)
- 農地や草むらの周辺(ウンカなどの害虫が多い)
といった場所が挙げられます。
要するにコウモリが来ているということはそこに虫が多いということ。
「コウモリを追い払いたい」と思ったら、虫が集まりにくい環境を整えることが遠回りのようで効果的だったりします。
まとめ
- 日本のコウモリ(アブラコウモリ)の主食は昆虫(蚊・ユスリカ・ガなど)で、一晩で最大500匹食べることも
- 昆虫食が世界のコウモリの主流で、熱帯には果物・花蜜食の種も存在する
- 肉食(カエル・魚など)のコウモリは世界でも約10種と少数
- 吸血コウモリは現存3種のみで、すべて中南米に生息。日本には存在しない
- コウモリが集まる場所は虫が多い環境で、街灯・水場・農地の近くが該当しやすい
- エコーロケーション(反響定位)によって、真っ暗な夜でも正確に虫を捕食できる
コウモリの食べ物について調べてみると「血を吸う不気味な生き物」というイメージとはかなり違う姿が見えてきます。
個人的には一晩で500匹もの蚊を食べてくれるという事実が一番印象深かったです。
日本のコウモリは意外と私たちにとってありがたい存在なのかもしれません。


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